僕らは日々、色々なことを忘れながら森を歩いています。
なので、いつか今日という日が『遠いキオク』に代わった時のために、僕は4枚の絵を描くことにしました。
時は流れ季節はウツロイます……人のココロもまた。しかし、この4枚の絵が『時間のシオリ』となって、いつか未来の自分を今日という日に運ぶことがあれば、と想っています。
冬、僕らのサヨナラは、赤い月の下で。幾千のカナシミが降り注ぐ季節に、僕らはただ、立ち尽くしました……
春、しかし、それでも川は流れます。花々が静かに、静かに、それを見守っていました……
夏、泳ぎ始めた僕らは、命の歌を歌いました。美しいその歌が、月までも届くよう、いつまでも……
秋、目を瞑れば心が開き、僕らのキオクは悉く甦ります。想いはいつも、自由に森の中を駆け巡ります……
それでも 川 は流れ、僕らは美しく歌います。
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